剽vらない、でも全部欲しい、1から10なレゴー。

1と10、どちらが欲しい?

「必要無い、と思う」
極端な考えしか出来ない人、この人の思考はYesかNoのふたつで済む。それ以外は要らないのだと言う、たくさん合っても惑わされるだけなら絞った結果、選択肢は少ない方が楽だ。
「分からないことは無いっすけど」
「だろ?答えは基本的にひとつ。なら極力、削るべきだ」
そうやってにこりと綺麗に笑う。多分、捨ててきたものも、置いてきたものも、諦めたものもこの人にはいっぱい合っただろうに、それでも、この人は前だけを見据えて綺麗に笑うのだ。どうしようもないほどの真っ直ぐで純粋な生き方だ。後悔だって、しただろうに、生き方を変えるつもりはきっと無いんだろうけど。
「……先輩がさ、」
「うん?」
「先輩がさ、削ったそれを俺が広い集めて、追い付いたら、なんかしてくれる?」
目を丸くして俺が呟いた言葉を受け止めた、躊躇ったように目を伏せて、躊躇したように言葉を澱ませた。
「ゴールドは、何か欲しいの?」
「そうっすね、先輩の1と10が俺は欲しいっす」
どちらが欲しい、問われれば欲張りな子供である俺はどちらも、もしくは全部欲しいと答える。あんたは失うために得るんだろ、じゃあ得たものを失わなきゃ良いんだろ、俺が無くさずにあんたの隣に並べたら、あんたは俺になにしてくれるんだよ。
「……じゃあキスでもしてあげる」
「安い、もっと下さい」
俺、欲張りで我が儘な子供なんで足りません。
そう言えば先輩は困ったように笑いだして、最後には折れて、仕方無いから全部あげるよ、と言った。
最初からそう言えばいいものを、全く素直じゃない。

∴2から9をやるから、それ寄越せ。