俺はあんたが嫌いで嫌いでたまらない。だからあんたが笑顔で俺に近づいてくるのに嫌悪しか感じられなかった、ぶん殴りたくて仕方が無かった。
「俺は、あんたを殺したいよ殺したくて殺したくて殺したくてたまらないんだぜ」
そう吐き捨てることが出来ればどんなに楽だったんだろうか、ぐしゃりとぐしゃぐしゃにあんたの顔が歪むのを見ながら、あんたのこころを潰せたら、ああどんなに、幸せだろうか。
「大好きだよ、ゴー、大好き」
あんたが照れながら俺に囁く在り来たりな愛の言葉たちは俺をずたずたに傷付けて、俺を夜な夜な悩ませ苛み眠れなくさせた。例えるならそうそれは呪いの言葉だった、一方的なベクトルの愛は重く重く重く重く、重く、押し潰されそうになるへどにただ重かった。「大好き」なんて、俺は言って欲しくはない、ただ、俺はあんたに。

(抱かれたい、だけ、なんだぜ。)

∴ 純粋な愛は力を持って俺を押し潰す。