恋をしようと明確な意思で思想した訳じゃなかった、ただ、こぷりと溢れるように湧き出した感情が良く有る、在り来たりな恋情だっただけ、それだけの事だった。気付いて自覚すれば恋しいと想う愛しさが重なって、募って、増えてって、限界、破裂しそうだった。だから「好きです、」と、四文字。僕から流れた言葉を受け止めた貴方が珍しく笑って、掬ってくれたから、僕は流れ出したそれを抑えることをやめた。零れ落ちた液体が甘かったのかしょっぱかったのか分からない、ただ幸せすぎて枯れ果てても可笑しくないな、と一瞬想って、それで、出来たら一緒にと、一生、願ったのは優しい未来。
ああ、こういう死に方もあるのかと、ヒビキは柔らかく微笑んだ。
0824 死よ、恋。