傍に要るだけが全てじゃないと笑うなら、そこに僕の価値は要らないと僕の意味は無いと断定しているようなものだ。笑うな、貴方は僕を優しく否定して拒絶するのか、滲み出た感情を必死に圧し殺す。「俺のことは、お前の中から弾いていいよ」「それは」僕の拙い恋慕を、遮断する言葉だ。切断、意識が遠退く、いっそ夢だったら良かった。「…僕の感情も意思も、必要ないと?」「俺に向けるもんじゃないから、だからその付属品は折るわ」「ははっ、酷い人です、ね」滲み出たのは感情だけでは無かった、ぼろりと溢れた大粒の液体が頬を伝って落ちていった。「俺はお前のそばに要られない」「そばにいて欲しい訳じゃない、全部肯定して欲しい訳じゃない、ただ僕は、」ぼろり、せめてその手で拭ってくれれば良かったのに。小刻みに震える貴方の指先が言えない答えを示すなら、一回だけ、僕を傷付ければ良かったんだ、突き放せば良かったんだ。それが出来ない優しい貴方だったからさらに僕は泣くんだ、諦められないから、だから僕は何度でも繰り返す。

「貴方の隣に、並びたい」

0817:愚かでごめんね
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