あのシロガネ山で俺達が寝泊まりした洞窟の裏側って何があるか分かるか?崖だよ、すっげえ切り立った崖でさあ、足を滑らしたら残念ながら見事に助からねえだろうってくらい息を飲むような割けた崖があるんだ、あ、いや別になんでこんな話したかと言うと全く意味なんて無いんだけど、さ。
「嘘吐け」
「あっはは、信用ねえ」
「レッド先輩って前々から思ってましたけどかんなり斜めにひしゃまがった発想してますよね」
「褒められた?」
「褒めてねえ」
「ああ、そうだ、ねえゴールド」
知ってる?凍死って綺麗なままいけるらしいよ。俺は劣化とか退化とか進化とかあんまり好きじゃないからちょっと羨ましかったりするんだけどそれまでが辛いらしいよ、あまりの冷たさに肌が凍死するのをじわじわと味わなきゃいけないだなんて辛いよねえ、だから凍って眠りに尽きたいならお酒を服用するといいよ、たあっくさん飲めば感覚失って痛みさえ分からないだろ、ただまあ、お酒は二十歳からだからね、法律は守らなきゃいけないからそれまで暇だし、なら冷たい氷水の中に落ちた方が早いよ、あれって体温奪われて死ぬんじゃなくてショック死らしいよ、ああそれから「あんさー」「うん?なにゴールド」

「俺が先輩の子供とか産んだらこの発想なんとかなるんかねえ、なあどう思うよピカにピチュ」


あんぐりと開いた口が塞がらない。

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0729.その発想は無かった。
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