孕んだ契り | ナノ





回線が繋がってるよ、いかり饅頭と冷たい麦茶を入れてくれた博士が機械を指差したので、饅頭を口に突っ込んで立ち上がり、機械の通信ボタンを押した、研究所の通信機器の仕組みはポケセンのとあまり変わらない。
画面が若干じりじりと荒れたあと、パッと弾けるようにあちらの光景が広がり、妙に緊張した後輩達の姿が写された。
「よー、お前ら元気だったか?」
「ご、ごーるどさん!」
ルビーとサファイアの二人の真ん中に収まるエメラルドの小ささが懐かしい、俺の名前を呼ぶ声が上擦った。あー久しぶりだなあ、地方が違うと中々会えないものだ、結構淋しいぜ、先輩としては。

「誕生日、おめ、でとう、です?」
「ゴールドさん、Happy Birthday!」
「いやーおめでとうったい!機械ごしですまなかー!」

エメラルドが歯痒そうな笑顔を浮かべて、ルビーは薄く微笑む、サファイアは陽気な笑みを見せた、ぱちぱちと拍手も付属させて、三人それぞれに、優しく、笑いながら。
「……おう、サンキュ」
頭をがしがしと掻きながら、もどかしい擽ったさに俺も笑い返す。また近い内会いに行きますね、とこれまた喜ばしい約束を交わして、うむ、あれだ、あのな。

良い後輩を持ったと、こいつらの先輩である俺は思う。だってやべえ、すげーえ、うん、嬉しいわ。

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▽ 7/21 15:14 笑顔をプレゼント。