「脱げ」
「は」
上着を捕まれて万歳、勢いよく脱がされた。乱暴な扱いに帽子が服に巻き込まれ取れた、前髪が崩れて目にかかった。「え、なにちょっ、と」「黙れ」問答無用で足払い、宙に浮いた身体を支えられて優しく床に倒された。そのままシャツも掴んで捲られる、流石に叫んで抵抗、その手を剥がそうとしたが無理難題だった、両手を左手だけで絡め取られて頭の上で固定された。
「うわーっ!うわー!うわあ!」
「煩い」
胸辺りまで遠慮無しに上げられた、素肌が冷気に晒されぞくりと背中が震える。頭を垂れてそっとグリーン先輩は俺の平らな胸に耳を当てた、え、あれなにしてんの。
「眠い、動くな」
腕を背中に回してグリーン先輩は目を瞑った、床に仰向けに寝転がる俺の上に覆い被さって寝る、とは。
「どーゆーことっすか…」
どくどくと心臓が早鐘を打つ、それは勿論グリーン先輩にも聞こえてる筈で、つつ、と背中を指先が這い、擽った。
「ひ、」
「お前の心臓が一番煩い、な」
誰のせいだと思ってるんだ。
くつくつと喉を鳴らして笑う、震動が俺にも伝わりムズ痒い。ああなにこの人、ほんとなに、この人。
「おい」
「はあ、」
「今は疲れてるから後で」
何が後で、なんすか後で何て無いっすからね!

▼残念ながら頂きフラグはたっているのです。

(ちきしょう、なんてこったい!)

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