睡蓮を心に浮かべる



自覚したら、駄目だった。
突き飛ばされたゴールドは訳も分からないって顔でぽかーん、と俺を見上げる。
突き飛ばした本人である俺も吃驚したように自身の手とゴールドを交互に見た、あれ、なにしてんだ、俺。

「えー…先輩」
「あっ、うん、ごめん、な?」

手を差し伸べたら困ったように俺を見詰めて、また困ったように口を開いては閉じて、またまた困ったように結局俺の手を掴んで、立ち上がった。
うん、困った。
主にこのいたたまれない空気とかさ!超俺泣きそう!いや俺のせいなんだけどね!

「えーと」
「うん?」
「…あの」
「なに?」
「手を…」

離して下さい、と言われてようやく気付く、あれ俺ゴールドの手握ったままだった。なにこれ無意識こわい。

「ごめん、ごめん」

ゴーの手ってちっちゃい、名残惜しいなあと思いつつその手を離した…あれ、何で名残惜しいと思ったんだろ、あれ?

「あ」

大変、もしかしてもしかしてもしかして、もしかして、だけど。

俺、ゴールドのこと好きなのかもしれないもしかして!

自覚したらもどかしいこの数センチの距離にも恥ずかしくて恥ずかしくて、ついゴールドをまた突き飛ばして俺は逃げた。

うわあ大変!気付いたら恥ずかしくてもうゴーの顔見れそうにないや!ごめんゴー!


(純情を親しみ、想い、慕う。)




花言葉...睡蓮:心の純潔、純情・信頼







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