11/12/01 11:10 人間を愛してる愛してる愛してるだなんてしつこいくらいうざいくらい腹が立つくらい耳元で囁かれれば流石に萎えるっていうかうざっ、てなる、この人そろそろ誰かに刺されねえかなあ。 「誰かに、ってあたりに微量にだけど君の愛をちょっぴり感じるね」 「俺自身で刺すだなんてそんな、手が汚れます」 「せめて被害を被りたくないとか仕返しが怖いとかにしてくれたら嬉しいんだけど」 「正直なもんで」 「それは自分に?それとも俺に?」 「黙秘を貫きます」 両手で耳を塞いだ、手のひらで圧迫される頭は思考を止めない、それが煩わしかったので目も閉じた。雑音、ノイズ、いざやさん、なんだろこのひと、壊れたスピーカーみたいなひと、あーうるさい。 「正臣くんは俺に愛されたい?」 黙秘、 「正臣くんも人間だから許容範囲としては余裕だけど」 黙秘、 「それじゃあ、君は嫌なんだろう」 (うるせえ、) 「正臣くんが欲しいのは俺のどこ?ここ?言ってごらんよ、目も耳も閉じてもまだ口が開いているだろ」 微かに開いたままの唇を閉じようとしたら弾力がある塊が唇を抉じ開けて阻止する、驚いて目を見開けば指を笑顔で俺の口に突っ込む臨也さんとこんにちわ、うわあ最低つーかまじ最悪! 「正臣くんの中あったかいね」 「ひね!」 「ちなみに噛んだら正臣くんの大事なものをひとつ壊す」 「……ひね、」 異物を含んだままじゃ上手く喋れないし噛んだら喪失を味わうはめになるので口内を犯すように蹂躙する指を無視するしか俺には残されてなく、じっとりねっとり絡み付くのは指先だけだったのだろうか、なんて。 どうでもいいけどさ、 がぶり。 逃がさないようにと手を掴んで勢いよく噛み付いた、遠慮も躊躇も残念ながら一ミリも俺の良心には残っていなかったので噛み千切るつもりで実行。じわりと口内に広がった鉄の味に不味いと冷静に感じながら指と血液を吐き出した。 「っ、やってくれるね」 「壊せよ、俺の大事なもん」 唇から垂れた血液混じりの唾液を指で拭う、そうして綺麗に笑めば面白くなさそうに眉間にシワを寄せた。面白くねえのはこっちだくそ、臨也さんなんてさっさと壊れてしまえばいいのに。 「俺は正臣くんのこと愛してるけどねえ」 「……人を馬鹿にすんのもいい加減にしろよくそったれ」 「馬鹿にはしてないなあ、ただ」 「黙れ」 「俺は人間を愛してるだけだよ、だから君はその一部」 馬鹿にするな。 1130/気味(君)を孕む人。 xxx...リハビリ |