やはり学パロ。戦国を書く勇気が出ない管理人で申し訳ない。
仮面ライダーネタあります。
早朝の誰もいないホームルーム。
いつも通り一番最初に教室へ入り、電気をつけて日課となったフルートの手入れをしていると、いつも通りの時間に隣の席の人…
我が吹奏楽部部長の毛利元就くんがやって来た。
これまたいつも通り
「おはよう」
と朝の挨拶をしようと口を開けば、それより先に毛利くんが口を開いた。
「トリックオアトリート」
『!?』
思わず、自分の耳を疑う。
イベント事にほとんど…否、全くと言っていいほど興味の無い毛利くんが、ハロウィンというお菓子強奪イベントに参加している…だと!?
いそいそと机の横にかけていたリュックサックから取り出したるは、最近コンビニで買いだめた仮面ライダーチョコレート。
『どうぞ…』
ずずい、とそれを差し出すと、まるで養豚場の豚を見るかのような冷たい目で見下された。
何故だろう。私が何か気に障ることをしたのだろうか?
「貴様…何故菓子を持っている」
『つい先日沢山買ったからです』
「何故仮面ライダーチョコレートなのだ」
『アニキ…いえ、長曽我部くんと一緒に帰っていたら新作の仮面ライダーの話になりまして、成り行きで買うことになりました』
「……」
『パッケージはアレですが、中身は至って普通のチョコレートですよ?』
そう言って無理矢理、チョコレートの箱を毛利くんに握らせる。
ちなみに、12箱買って6箱開けたが、未だお目当ての金のロックシードマークは出ていない。
「仕方あるまい…」
渋々、といった様子で毛利くんがパッケージのビニールを破き、取り出し口を開く。
「…む?」
くちばし部分を見て、毛利くんが眉を寄せ、眉間に深い皺を作った。
『どうかしましたか?』
「何か…マークが描いてある」
『ああ、きっと鎧武マークですね』
「がいむ…?この鍵らしき物を貴様らはがいむと呼ぶのか」
『ちょっと待ってください鍵ですって』
毛利くんの手をがっちり掴み、くちばし部分のマークを確認する。
『何ということだ…』
そこには、神々しい金色をしたロックシードマークが描かれていた。
『毛利くん、それとこれを交換しましょう』
リュックから新しい仮面ライダーチョコレートを取り出し、押し付ける。
「……。嫌だ」
ぴっ、と差し出した押し付けた箱を爪で弾かれた。
『何故ですか!?毛利くんは仮面ライダーに興味がないのでしょう!!?』
そう言って再度彼の持っている箱を奪おうと手を伸ばす。
が、その手が箱へ届く前に、彼はズボンのポケットにそれを仕舞ってしまった。
「貴様が我の言う事を何でも聞くというのなら、この箱をやらん事もない」
ドヤ顔でそう言い放った毛利くんに、壊れた人形のように首を縦に振ったこの時の自分に蹴りを入れたい。
『毛利くん』
「……」
『毛利くーん』
「……」
『……元就くん』
「何ぞ」
今日から、毛利くんの事を名前で呼ぶことになりました。
恥ずかしすぎて死にそうです。
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