ずるり。音をつけるならそんな感じの
感覚を残して坂本の逞しい息子さんが
俺から抜けていく。
「おーい、大丈夫がか」
こいつ何故かセックスがすごく巧い。
ムカつくことに動けないくらい巧い。
「賢者たーいむ…」
「最悪じゃの」
嘘なんだけどね。いやもう悟りも開け
ないくらい疲れた。
「境地に達しちょるがかー」
「うっせ、疲れた」
「わしもじゃ」
どさりと俺の横に坂本が寝転がる。急
に眠くなった。
「好きじゃ、銀時」
「寝る」
「…泣いていい?」
良い夢が見られそうだな、なんて思っ
たことは悔しいからこいつには言って
やらない。