生きているから仕方ないと思えなかっ
た。だって貴女は死んでしまった。だ
からでしょうか。今更悲しい、なんて
。
リヴァイアサン
「総悟」
「何ですかィ」
ああどうして、貴方が泣くんでしょう
。ねえ姉上、貴女は悲しい人だ。だっ
てこんなにも、沢山の人が泣いている
。
「近藤さん、」
「泣いていいんだ」
近藤さん、そんなに泣きながらじゃあ
かっこよくなんてない。
「姉上」
今夜は月が丸い。貴女の笑った顔みた
いに明るくて眩しくて、どこまでも遠
い。
「貴女は悲しい人だ」
「総悟、」
だって、ねえ、そんなのあんまりじゃ
ないか。もっと笑ったっていいじゃな
いか。
「沖、田隊長」
「何でィ、皆して泣きやがって」
神様神様俺は泣かない。泣かないから
あの人を泣かせないで。なんて丸い丸
い月に祈ってみた。