ふらりと脱け出した平日の午前。昨日
までの雨とはうってかわって快晴。き
らきらと水滴の輝く屋根の上。組んだ
両腕はそろそろ痺れてきた。
考えるに、つまり。俺は宇宙の外で死
んでいて、宇宙の中で生きていない。
この水槽の中、満たされた水で生きて
、死んでいる。ぷらんぷらん、足を揺
すると瓦がかしゃかしゃ音を立てる。
崩れれば、金魚は地を這い干からびて
死ぬ。
いつか夢見たことも、今ある全ての感
情も全部全部宇宙以外のどこでもない
場所へワープして、凧みたいにふらり
と舞ってそのまま。
死んだことはないから分からないんだ
けれど、多分、きっと、そう。いつか
朽ちるのは宇宙の話で、その外側で俺
は死にながら生きるのだ。
ふと目を遣った真横にある公園、の砂
場に取り残された黄色い持ち手のスコ
ップ。やけに印象的で、前を向いた空
にスコップが浮かんで見えた。