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「何を?」
「この学校の、七不思議。杏里知らない?」

放課後、クラスメートの帰ってしまった教室でそんな話をされた。立ちかけていた窓際の席にもう一度座り直すと、正面に座る友人がにやりと笑う。
この東校舎はグラウンドに面していて、教室のある三階からも部活中の生徒の声がよく聞こえてくる。
そんな中で『七不思議』というワードはいやに奇妙に響いた。

「えー知らない。この学校に七不思議なんてあったんだ?」
「だよねー、まあ私も先輩から最近聞いたんだけどね。しかも六個までしか知らない」
「七不思議って七番目を知ると死ぬとか言うしねー」
「そうそう」

一体誰が最初にこんなことを言い始めたのか、“学校の七不思議”という怪談はすっかり定着してしまったように思う。
それをテーマにした本や映画は見たことがあるけど、まさか自分の通う高校にそんなものがあるとは知らなかった。

「小学生の時は盛り上がったりしたなぁ…」
「杏里信じてた方?」
「信じた方が面白いじゃん」
「あー杏里ってそういう子なのねぇ」
「実際は何もなかったけど、当時はキャーキャー言って楽しかったような…こっくりさんとか流行ったしね」
「あー流行った流行った!私はやったことないけど」
「ただうちの高校で七不思議って言われてもいまいちぴんとこないかもなぁ」
「うわ、杏里ってば冷めちゃってー」
「だって平和そのものじゃん。土地もいわくとかなさそうだし、校舎も古いとかないし」
「あはは!ま、確かにねー」

じゃあ別に聞きたくない?との問いには首を振る。

「そこは興味ある!花子さんとかそういうの?」
「ううん、けっこううちの高校のはオリジナル色強いみたいだよ。例えば…」