不安定?





小さな溜め息が、薄く開いた口から零れる。
隣にいる臨也が咎めるような視線を向けるが、静雄は気にも止めずにまた溜め息を吐いた。

「え、ちょっと何?そんなに退屈なの?」
俺と一緒にいるのに、と臨也が口を尖らせて言う。
だが静雄はちらりと臨也を見ただけで、態度を改めようとはしなかった。
ソファの上で膝を抱えて座り、顔を伏せた静雄を見て、臨也も大きな溜め息を吐く。

「…シズちゃん、何か言ってよ。」
顔を膝に埋めているせいで晒された後頭部に手を乗せて、見た目よりも柔らかい金髪を優しく指で梳いてやった。
ぴくりと小さく肩が震えて、ゆっくりと顔が上げられる。

「うるせーよ、ノミ蟲は黙ってろ。」
口では悪態を吐きながらも、ぴったりと体をくっつけてくる静雄の姿に苦笑して後頭部から肩に手を回してぐっと引き寄せる。

「まったく、素直じゃないんだから。」
言葉とは裏腹に、擦り寄せられた腕に触れる頬の熱さが愛しくて、臨也は思わず口元を緩ませた。








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