年下の彼氏





自分と同じように染められた金髪が首筋に当たり、あまりのくすぐったさに身を捩れば正臣の腕が離れまいと強く抱き着いてくる。
さっきからずっとこんな状態で、二人はくっついていた。

「正臣、どうしたんだ?」
嫌ではないのだが、少しだけ不自由さを感じた静雄は先程からの無言に耐え兼ねて口を開く。
だが正臣は首を緩く横に振るだけで何も言わない。
背中に覆い被さるようにして静雄を抱きしめているため、こちらからは表情を伺うことすらできず、静雄は困り果てた。

「…静雄、さん。」
低く掠れた声音で正臣に呼ばれて、静雄は小さく返事をする。
膝立ちになって項に頬を押し付け、大きく深呼吸すると静雄の匂いが鼻腔を擽った。

「良い匂い…なんか、安心する。」
そう言われて、静雄は何だか照れ臭くなり仄かに顔を赤くさせた。

「そうかよ。」
幾分かぶっきらぼうな言い方になってしまい少し後悔するが、正臣も静雄の性格を理解しているので気にせず小さく笑う。

「んー、静雄さんのお陰で元気出た。」
ぐっと廻された腕の力が強まり、これでもかと言う程に項に顔を擦り寄せられて静雄は思わず笑い声を上げた。
見た目よりも柔らかな髪に指を差し入れくしゃりと撫でると、漸く抱き締める腕が緩められる。
動きやすくなった体を正臣の方へ向ければ、驚きに目を丸くする正臣の顔が近くにあった。
後頭部に手を伸ばし薄く開かれた唇に口づけてやると、正臣は嬉しそうに目を細めて更に深い口づけを施してくる。

啄むようなキスの後、二人は真っ赤になりながらお互いを見つめ合って笑った。









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