甘くて愛おしい君




ベッドの上で小さな寝息を立てて寝ている静雄を、背中から抱き締め項に顔を埋める。

大きく息を吸い込むと静雄の匂いがした。

仄かな甘い香りが、鼻腔を擽る。

味も甘いのかと、ぺろりと一舐め。

うん、甘い気がする。

今度は軽く歯を立て噛み付いた。


「ん、う…いざや…?」
さすがに目を醒ましたらしい。
寝ぼけた声色で名前を呼ばれて、不覚にも高鳴る鼓動。


我慢できなくて、首筋を舐めて噛んで吸い付いた。

「うあ、ちょ、やめろ…っ。」
ぴくぴく震える体を押さえ込むようにして抱き締める腕に力を込め、首筋に強く吸い付き痕を残す。

紅く咲いた所有の証に、口元が緩んだ。

「シズちゃんは俺のものだよ。」
そう呟いたら、彼の体が一気に熱くなった。

はぁ、今夜はもう寝かせてあげられそうににないな。

いつの間にか主張し始めていた自身を静雄の尻の辺りに擦り付けてみせると、泣きそうな顔で振り向かれて更に欲情を掻き立てられる。

「恨むなら自分の色気を恨みなよ。」
潤む目元に口付けて無理矢理四つん這いにさせて、後ろから足を開かせ数時間前も散々蹂躙した場所を堅くなった自身で穿つ。

「ぁ、や…やめ、ろ…っ。」
掠れた甘い声が室内に響いた。
シーツを強く掴み枕に顔を押し付け快楽に耐えている静雄の、一番弱い箇所ばかりを狙って抜き挿ししてやれば更に喘ぎが甘くなる。

「やっ…も、イくぅ…っ!」
涙を溢れさせながら限界を訴える静雄の体が小さく痙攣し、先走りすら出ることなく達してしまう。
きゅうきゅうと締め付けてくる後孔が与える刺激によって、臨也も絶頂を迎え普段より少なく透明に近くなってしまった精液を静雄の内に注ぎ込んだ。

「は、ぁ…シズちゃん、空イキしちゃったね。すごく可愛かったよ。」
体に力が入らないらしく指一本すら動かせない静雄の頭を優しく撫でてやる。
そしてそのまま二人は、急速に襲ってきた睡魔に負けて眠ってしまった。







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