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▼ 幸せな1年を共に

「今年はどないな年になるんやろうな」

時計の針が12時を回り、あけましておめでとうを言ってすぐに真島さんが呟くように言った。

「どうしたんですか? 真島さんらしくないです」
「そうか? 去年はなんやかんやでバタバタしとったからのぅ」

真島さんは幹部として東城会の様々な問題に対処していて、目まぐるしい毎日を送っていた。
だから、今年は何事も起こらず平和に……と思っているに違いない。

「真島さんの今年の目標、何ですか?」
「俺か? せやなぁ……」

考えるような仕草をしたかと思ったら、不意を突かれて頬にキスされた。
そしていつものヒヒヒと悪戯な笑顔。

「俺はなぁ、1日でも多く……、いや、1時間、1分、1秒でも長くなまえと一緒に過ごすことやな」

この言葉を素直に受け止めるのは難しい。
言葉の先にある彼の命の期限を意識してしまって、嬉しいというより、せつない。
無意識にそんな顔をしてしまったのか、真島さんに人差し指で頭を小突かれた。

「何一人で深刻な顔しとるん? そういう意味ちゃうで」
「じゃあ……どういう意味?」
「去年はあまりなまえに構ってやれへんかったからなぁ。せやから今年は……な」

さっきの不安な気持ちはどこへやら。
ジリジリ真島さんに迫られて、床に押し倒されてしまった。

「そ、そういう意味ですか?」
「それ以外の意味、あるんか?」

唇をなぞられて、さっきの悪戯っぽいキスとは違う優しいキスを一つ落とされた。

「ずっと一緒や、安心せぇ」
「真島さん……」
「今年も仲良うしてな♪」

真島さんがそう言って可愛く微笑んだのにつられ、私もそれに返す。

「こちらこそ、よろしくお願いします」


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