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▼ Whiskey Bon Bon

ウィスキーをくるくるとスティックチョコでかき混ぜてから、ぱくりと口の中へ。
その様子を怪訝な顔で見ている真島さん。

「不思議な食べ方しとるなぁ……、美味いんか?」
「美味しいですよ〜。ウィスキー独特のとろりとした香りがチョコレートとの相性バッチリです」
「そうなんか?」

私がどうぞと言ってチョコレートを手渡すと、真島さんはイヒヒと笑った。
ああ、その笑みは……悪さを閃いた時のやつ。

「美味そうやなぁ」

ウィスキーに浸すことなく、真島さんはそのままチョコレートを口の中へと入れてしまった。

「あ! そうじゃないです真島さん。ウィスキーに浸けてからです」
「もう入れてしもたわ。そんならウィスキー、くれや」
「え?!」
「なまえ、早よう〜! 溶けてまう」
「じ、自分でウィスキー飲めばいいじゃないですか!」
「バレンタインやろぉ? 好きな人に愛を告白する日やろぉ? ほれ、告白!」

真島さんは「ん」と言って口を尖らせてキスをせがんでいる。

「……一回だけですよ」

覚悟を決めて、ウィスキーを口に含み、真島さんに口移し。
半開きになった口に少しずつそれを流し込んでいると、突然始まる粘液交換。
チョコレートの舌とウィスキーの舌。
甘美に絡めれば絡めるほど味わい深くなる二人の口内。

「んっ……」
「っ……、たしかに美味いなぁ〜! せやけどチョコより、なまえのほうがよっぽど美味いわ」
「な、何言ってるんですか……もぅ!」
「照れてしもたんか? さ、交代や」

私の顎を持ち上げてスティックチョコを咥えさせる真島さん。
恥ずかしいのに無意識でチョコレートを齧っている私。
満足そうな表情で真島さんはコクリと一口ウィスキーを口に含んだ。


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