黒のアバンドーネ | ナノ


▼ 序

大阪、蒼天堀。
東の大歓楽街が神室町なら、西はまさしくここが夜に息づく場所。
黒の世界を染めるネオンの中で一際輝いている店がある。

キャバレー・グランド。

すべてが豪華、高級、一流で揃えられた店は富者が豪遊する場所として蒼天堀に君臨している。
そのグランドの支配人で『夜の帝王』の名声を博しているのは、元極道の真島吾朗。
毎夜、親に逆らった罰として嶋野から真島の許へ寄越された後見人、近江連合の佐川により課せられたノルマの売上金を稼ぐ日々を送っている。

横柄で下品な客、わがままで独り善がりなホステス。
繰り返されるつまらないシノギの毎日。

そんな色の無い真島の生活に色を与える女性が一人。
グランド専属のバンドピアニスト、神崎美流である。

ここで語られるのは、金とネオンと欲望がギラつく蒼天堀で、そっと寄り添いながら生きている夜の帝王とピアニスト二人のお話。


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