RED

※REDのネタバレあり


?「姐さんさんは行かなくてよかったんですか?」

「私がこの船に乗った時にはウタちゃんはもういなかったの」

「ウタちゃんを助けに行くのはウタちゃんと共にすごした家族だけでいいと私は思ってる」

「ウタちゃんが待ってるのは不器用な父親達なのよ」

?「ロックスター行っちゃいましたよ?」

「いいのいいの。行きたきゃいけばいい。これは単なる私の考えだから」

「私は船を守りつつ周りの海軍を倒すことに専念するわ。ちょっとでもウタちゃんのとこに行く海軍は少ない方がいい」

?「姐さんのそういうとこ好きです!」

「前から思ってたんだけどその“姐さん”ってなに?」

?「だって船長の義妹で副船長の女ですよ?姐さん以外にないでしょ」

「いやいや、なまえでいいよ」

?「むりっす」

?「そんなことしたらおれ達命がなくなる」

「へっ?」

?「おれ達まだこの船にのっていたいんで」

?「そうそう、副船長に睨まれるのは絶対嫌っす。まだ海軍のが数百倍まし」

「ベックがそんな事するかなぁ…」

?「いやいやいや」

?「これがするんですよ」

「へぇー…」

?「あれ何ですか!?」

「トットムジカがなんで…」

?「トットムジカ?」

「シャンクス達に話聞いたことあるだけだけど…ウタちゃんか…」

?「おれ達どうすればいいですか」

?「何かできることあったら言ってください!」

「トットムジカはシャンクス達がどうにかするだろうから大丈夫。私たちは船を守りながら海軍と戦ってシャンクス達の帰りを待てばいいだけだよ」

?「はい!」

?「了解っす!」

「(ウタちゃん大丈夫かな…)」













シャンクス達が戻ってきた

シャンクスの腕の中には安心しきった顔をして永遠の眠りについたウタちゃんの姿がある

思わず泣きそうになるが不器用な父親達が必死に耐えている姿をみてしまうと私が泣いてはいられない


シ「なまえ…」

「…っ…なに?」

シ「…棺用意してくれるか」

「わかった」

?「おれたちも手伝います」

「…ありがとう」








シ「……眠ってるみてェだな…」

ベ「…あァ」

ヤ「…笑ってやがる…っ」

ルウ「…幸せそうな顔して…」

ホ「…大きくなったなァ…ウタ…」

ラ「…っ…くそっ…」

ス「……」

パ「…また一緒にっ…歌いたかったなァ…」

ガ「……っ…」




私はウタちゃんに会ったことない

会ったことはないのにこんなに涙がでてくる

シャンクス達がよくウタちゃんのことを話してくれてたから

海賊になったからには自分や誰かの死は常に隣り合わせ

そんなのみんなわかってる

それでも誰かの死は辛い

仲間の死ならなおさら娘の死ならなおさら

12年前みんなはウタちゃんの幸せを願ってエレジアに残した

その選択は間違いだったとは思わない

でもウタちゃんは寂しかったんだろうな

あの時ウタちゃんを置いて行かなければこんなことにならなかったのだろうか

みんなは自分たちの選択を悔いているのだろうか




シ「…ウタは可愛いものが好きだった」

シ「今この船にウタ好みの可愛いものがないから花でいっぱいにしてやろう」

「シャンクス…これも入れていい?」

シ「なんだ?」

「いつかウタちゃんに会えたらプレゼントしたいなと思って買ってたものたち」

べ「…」

「みんなにウタちゃんの話をきいてこんなの好きかなーとか私とも仲良くしてくれるかなーとか色んなこと想いながら選んだんだ」

「一緒に入れてもいい?」

シ「もちろんだ…」

「……おはなし……してみたかったなぁ……っ」

シ「…………」

「ごめんっ……みんなの前では泣かない気でいたのにっ……」

べ「…泣けはいい……泣いていいんだ」

シ「……そうだぞ…泣くのを我慢することはない」

「……っ…う……ん……」

シ「ウタ…この大泣きしてるのが昔話したおれの妹だ。ウタのこと想って選んだみたいだから受け取ってやってくれ」

「……ウタ……ちゃん……っ」

シ「なまえ……ウタのために泣いてくれてありがとう」

「……シャンクスも」

シ「ん?」

「シャンクスも……泣いていいんだよ…っ…?」

「昔みたいに…っ…泣いたっていいんだよ……」

シ「……あァ…そうだな…っ」












(シ「……ベック」
べ「…なんだ?」
シ「何年海賊やっても仲間の死は…娘の死はしんどいな…」
べ「慣れるべきもんじゃねェ…」
シ「そうだな…なまえがこんなに泣いてくれるとは…泣き疲れて寝るのなんて久しぶりにみた」
べ「なまえはウタに会いたがってたからな」
シ「こいつら会ってたら絶対仲良くなったと思う」
べ「違いねェ」
シ「そういう世界も見てみたかったな…」)




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