逃がさない〜運命の出会い編〜*


短編の「逃がさない」の二人の出会いです。適当に考えてみた。「逃がさない」を読んでからどうぞ。






最近肩が重くて、寝不足が酷い。…今年から社会人になり慣れない新生活に疲れているのかもしれない。仕事帰りに公園のベンチに座ってぼーっとすることがなんだか心地いい。夜風が気持ちいいし、誰もいなくて静かだ。



「祓ってあげましょうか?それ」
「ん??…俺?」
「はい」

俺の前で立ち止まり話しかけてきたのは制服を着た高校生らしき男の子だった。
…なんか柄悪いなぁ…、というかはらうってなんだ?こんな夜遅くに危ないぞ、子供一人で、

「あー、もう遅いし子供は早く帰った方がいいんじゃないかなぁ」
「…。そうですね、そうします。」
男の子は素直にそう答えたが俺に一歩近付いて、腕をはらった。丁度、重たいなと思っていた右肩の辺り。
その瞬間、肩がふっと軽くなった。気がしたのではなく、確実に肩に感じていた重みが消えた。俺は驚いて立ち上がる。この子のはらうって、お祓いの意味だったのか。
え、え、!?…すごい、肩軽い。さっきまで凄い重かったのに。

「あ、ありがとう!肩、すごく軽くなったよ…!」
「いえいえどういたしまして、良かったですね」
立ち上がってお礼を言う俺に、長髪をお団子に纏めた男の子はにこりと微笑みかけた。


「おい傑ー、なにしてんの?早く帰ろうぜ」
「あぁ、ごめんね悟。もう終わったよ」
遠くから、もう一人男の子が話しかけてきた。
うわぁ、この子も柄悪そう…。

「は?…だれこのおっさん」
聞こえてるぞ…おっさんて、まだ俺20代なんだけど。



「あ…!それ俺も、好きなんだよね」
「は?」
男の子が持っていたキーホルダーサイズのぬいぐるみを見て、俺は言った。

「あぁ、…依頼主の女の子からのお礼だっけ?悟、いらねーよって言ってたのにしっかり貰ってるじゃないか」
「…、やるよ」
ずいと男の子が、ぬいぐるみを俺に差し出してきた。好きとは言ったが、貰うのはなんか悪いしと思い断る。
「え、えぇ…いいよ、貰い物なんでしょう?」
「別に俺…これいらねぇし…」
そう言い放って、ぬいぐるみを俺に押し付けたその子はすたすたと早足で行ってしまった。追いかけるようしてに、もう一人の子も失礼しますと一言、公園から出ていった。

お礼をするべきはこちらなのに…。肩は軽くなったし、好きなキャラクターのぬいぐるみも貰えてラッキー…、と思っておこうか。よーし、明日も仕事頑張ろーっと。
一人意気込んで鞄に貰ったぬいぐるみをしまった。






夢主は3、4つ五条より年上設定。
本編では気持ちわるさ優先。気持ち悪い五条。

好きなんだよね。→夢主はもちろん、ぬいぐるみのことを好きと言ったつもりだし、それを五条も理解してた。でも夢主のこと考えすぎて、あれ俺のこと好きって言ったよねって変換してる。自己紹介してないけど、傑が悟って呼んでたんだから、わかるでしょ。
夢主は夜だし暗かったから、当然五条の顔は見えていない。サングラスしてたしね。
ガチ恋ストーカー。盗聴盗撮不法侵入レイプ犯。本気で両思いだと思ってる。我慢できなくてつい最近は、夢主の家のものを持ち帰ったりする(新品と交換してる)。あげたぬいぐるみ、ちゃんと飾ってくれててそこでも勘違い加速してる。

「僕からのプレゼントだから大事にしてるんだ…、うれしいな」

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