五条と出られない部屋*


「…」

気がつくと俺と悟は真っ白い部屋で、これまた白いベッドの上に、向き合って座っていた。

「…ここ、どこ?」
「…さぁ??」
「え、悟もわからないの?まぁ…とりあえず出よーぜ、ほらあそこドアあるよ」
俺は、ドアの方を指差してベッドから立ち上がる。小走りでドアの前へ行き、ドアノブに力を込めた。

「…あっ、あれ?悟、これ開かないっ!!なんで?鍵かかってるみたい、」
「ねね、名前。これ見て」
後ろを振り返ると、悟がこちらに小さな紙を差し出した。そこには何か書かれているようだった。

「…せっくすしないとでられないへや、」
読み上げて見せた俺を、悟がガン見している。…にやにやすんな。しないからな、こんなわけもわからない所で…誰かに見られてたらどうすんだ。
「絶対に嫌だからな。悟、こんなんお前ならすぐ出れるだろ、ドア壊せよ」
俺は悟にきっぱりと言った。

「えー…僕こわせなぁい」
「ぶん殴るぞ」
「とどかないよ?」
ほんとむかつくなっ!!悟は嫌がる俺を無視してベッドの方へ戻り、何か箱をもって戻ってきた。は?なにそれ。
「みてみて名前、これさ…使えって事だよね、ね?」
…。なんかえげつないものがいっぱい入ってるんだけど…。
「嫌っ!無理!むりむりむり!!ぜってぇ嫌だ!!」
「だってしょうがないじゃん。出られないんだよ?」
こてん、と可愛い顔して悟が首を傾げて見せた。
「お前の術式でもなんでも使えばいいだろ」
「…今なら手加減できる気がする」
「は?手加減?」
どういう意味だ?俺は悟の手加減の意味がわからず、聞き返した。
「だから、今ここで、名前がこれ使って僕とセックスしてくれるんなら、手加減できるって言ってんの」
「…、」
「ここで断られたら僕ショックでこの部屋出た後、名前のことめちゃめちゃに抱くかもしれない。嫌がってもやめられない。大変だ」
なにが大変だ、だ。お前が我慢できないだけだろーがそれ。でもこんなにしつこく言ってくるってことは、今ここで切り抜けたとしても後で何されるかわかったもんじゃない…気がしてきた。って言うかいつも割りと無理矢理だろうが。最近は…そうでもない、こともないけど…。うわぁー、どうしよう。これどう転んでも俺ヤられるんじゃん。
…あー、これ俺が折れなきゃいけないやつじゃん。

「おい…ぜったい、痛くすんなよ」
「…!うん任せてよ」
あぁ結局こうなるんじゃんか。
悟がとびきりの笑顔で俺の手を引いた。



「なぁ…それほんとに使うの?」
「んー、だって折角用意されてたし…名前だって興味あるでしょ実は」
「ねぇよ」





「っていう夢をみたんだぁー。ねぇ名前、おもちゃ使ってみたくない?」
「…嫌だけど?」

…術式なのか?俺もおんなじ夢見た。絶対言わないけどな。

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