あの約束を今も覚えていてくれるなら
*会話のみ
『とむりん、とむりーん!』
「…………」
『あっ、別にシカトでいいよー!昨日ねグレースと話してて思い出したんだけど、前リドルがスリザリンテラスに呼び出して私の口封じしようとしたの覚えてる?』
「あの時は僕もまだなんの知識もなくて…。今だったら忘却呪文を使ったらいい話だったのに。そしたらこんな馬鹿と関わらなくてすんだ。」
『それは残念ですね。』
「うざい。」
『覚えてるってことよね。それじゃぁ、その時の約束覚えてる?』
「…覚えてるわけない、」
『あの約束を今でも覚えていてくれるならなって思って…。まぁ、忘れてるならしゃーない。』
「あんな一方的な約束は約束じゃない」
『リドルったらぁ!覚えてるじゃん!』
『私、約束守れてる?』
「…まぁ、多少はね。」
『笑顔に多少もなにも無いでしょ…』
「名前は覚えてる?ぼくとの大事な約束」
『え、お、覚えてるよ?』
「へー、言ってご覧。」
『え、えと……1日1回にリドル話しかける!でしょ?』
「そんなうざい約束するわけないんじゃん。」
『あっ!あれだ!毎週2人でホグズミードに行ってバタービール飲みまくる?とか?』
「いや、そもそも毎週ホグズミードになんていってないじゃないか」
『えー…うーん。友達からマグル用品貰ったらリドルに見せるとか?』
「実際僕には見せたことあるっけ?」
『リドルが怒るから見せてない』
「その頭、脳みそ入ってる?胡桃ぐらいしか入ってないんじゃない?約束思い出すまで僕の所に来るな。わかった?」
『あ、日記!昔の日記読んだら分かるかもしれない!少し待ってて!』
「………はぁ。つかれた。全く名前はバカだな。本当、馬鹿。自分から約束とか言って指切ってきたくせに。」
「なにが約束覚えてる?だよ。忘れてるのは脳天気なその頭じゃないか。名前くせに。爆発したらいいのに。なにが約束を覚えていてくれたなら、だよ。それは僕の台詞だ。」
《けど、リドルの笑顔が見れなかったらずっと私がそばにいてあげるね。そしたら笑える日がいつか来るかもしれない。これも約束だからね》
「僕の笑顔とかの前にこっちの約束の方が重要じゃない?普通。本当あの頃の名前は後先考えずに発言してたんだね。」
『ごめんごめーん!おまたせ。あのねっリドル。日記見たけど特になんにも書いてなかった。てかそれ以前にリドルに脅された日の日記すらも書いてなかった。多分当時リドルに相当ビビってたんだと思うよ。だから動揺して日記書くことすら忘れて…だから多分その約束ってのも動揺のせいで忘れただけなの!』
「言い訳にしては長文でうざいし、嘘をつくな。名前がビビるとか動揺とかするわけないでしょ。」
『ちぇっ!必死で考えたのに。本当にごめんなさい。忘れたので教えてください。』
「やだ。その思い出せないモヤモヤを一生味わってなよ。罪悪感と共にね。」
『…本当にすみません。』
「はぁー…」
「…笑わないでいたら傍にいてくれる、か。」
『え、なに?』
「いや、バカは馬鹿なりに考えてるんだな」
20201008