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「さぁて、美織は誰と交換しようかなぁ…」

少しばかり大きな声を出すと、「はいはい」と手を挙げ、ぞろぞろと私の前に列をなした。誰にしようと辺りを見回すといつの間にかシリウスにジェームズにルーピンの3人がいた。そちらに足を運び話しかける。「ねぇ、」シリウスがこちらをゆっくりと振り向いた。すごい…。シリウスってこんなにかっこよかったの!?信じられない…

「私、佐藤美織っていうの。よろしくね?」
「おー、可愛いじゃないか。なぁ、パッドフット」
「プロングス…」
「こちらこそよろしくね、Ms.佐藤」
「やだぁ、美織って呼んで?ね?」
「プロングス、早くこのくだらない行事終えていこーぜ。」
「そうだね、それじゃぁまた」

シリウスってあんなに冷たいキャラだったかしら?分からないわ。とにかく三年生とか交換出来ないのよね。イケメンの人いないかしら、とそんなことを思いながらて辺り次第に歩き出した。何よ、不細工ばかりじゃない。
15分も歩いていてもうイケメンはいないなあと思い手当り次第に声をかけ交換していく。
「君、かわいいね。名前は?」
このセリフ今日もう何回聞く事になるのかしら。あと、1枚…どうしようと、掌に載せた1枚のキラキラと輝く花びらをじっと眺める。そんな時に背中にドンっと衝撃がきた。振り返るとそこには見たこともないすごくすごく私好みの男性がいた。

「ごめんね、大丈夫?怪我はないかな?」
「…あ、いえ、…大丈夫…です」
「そう、ならいいんだけど。君は一年生だね。順調に交換は進んでいる?」
「は、っはい!」
「そう、ならよかった。それじゃまたね」

人ごみに消えていくその後ろ姿から目が離せなかった。さらりとした長くもない短くもない黒い髪の毛、声だって居心地の良い声。なんなの、あの人。ほんとに人間なの?あんなにイケメンな人なんて見たこともない。

「あっ、あの!」

やっと出た声を震わせながら彼の後ろ姿を追いかけて走り出した。手には力強く花びらを握りしめて。


16.01.07
22.05.16-修正・加筆-

「君、かわいいね。名前は?」

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