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「#エロ」のBL小説を読む
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「ねぇねぇ、真剣な話なんだけど」
「……名前、場をわきまえろ。」

周りを見渡すと怖い顔つきの男女が私を全員で睨みつけていた。それを見なかったことにし、リドルの真っ黒いローブを掴みながら「私の方が大事でしょ!?少しぐらい話きーてーよ!!」と怖さを忘れる様にタダを捏ねた。

「部屋に戻っていろ。」
「今がいいの!後からとは普通に忘れちゃうから!!ねぇ」
「名前、いい加減にしないと…」
「な、なによ!今度は脅し!?」
「……名前」

より一層声が低くなり、以前リドルが激おこの時にこんな声をしたのを聞いて怖くなり私は「もういいもん!こんな所出ていってやる!」と言うと頭にリドルとの思い出が過ぎり、あの頃のホグワーツに戻りたいと思うと私の体は、ばちん!と言う音とともに気持ち悪い感覚に陥り「おぇぇえええ!」とその場に胃の中のものをぶちまけた。ローブを汚したくなかったからそこら辺の葉っぱを広い口を拭いた。「普通、吐いて落ちてる葉っぱで口拭く女なんて名前だけだよ。」とリドルの声がした。気付くと半透明のリドルで、あぁ元の世界じゃないのかとかなり落胆した。

「ねぇ、ここどこ?」
「見覚えない?禁じられた森。あそこに番人の家があるしね。てか名前いつから姿表しとか出来るようになったの?あの屋敷から姿くらましできるのあいつだけなのに。」

リドルの言うあいつとはきっと未来のリドルのことを指していると勘づいた。

「…帰り方なんて分からないよ。」
「無理だろうけど、また姿表しで帰ったらいいんじゃないの?無理だろうけど」
「…ダメだわ。できない。」

「だろうね。想像ついたよ。とりあえずホグワーツで僕のこの存在は不味いんだ。僕は大人しく日記に帰るよ。とにかく僕の事は他言無用だからね。」と、リドルは消えていった。本当に昔と変わらずまったく手助けしてくれる気配がなくて笑っってしまった。とりあえず校舎目指そう。どうなるか分からないけど進まないと。空は明るいのに光が届かないのか森の中はなぜか暗すぎて、夜だと錯覚しそうになる。後ろから枝が割れる音がし振り向くが誰もいない。どんどん心が暗くなってきた。「リドル、会いたいよ。ここはこんなにも暗いんだよ。なにかがいるかもしれないんだよ。迎えに来てくれてもいいんじゃない?ねぇ、リドル。」足元が悪い中進むと遠くにホグワーツの天文台が見えてきて、嬉しすぎてジャンプしながら歩いた。
かなり歩いたと思う。やっとホグワーツの裏庭にでた。少し前とは違う森番の小屋が見え、近づくと見たことも無い大きな人が小さな小屋の中を歩いている。「…こわっ。でかっ。」と呟くと私はゆっくりと小屋から距離を取りホグワーツの中へと足を踏み入れた。制服を着ている為か、通りすがる生徒たちからは変な顔で見られることは無かった。中庭へと足を進めるとやはり何処かが違った。スリザリンの寮へと走り、合言葉を叫んでも扉は開かず私はとぼとぼと地下をさ迷った。場所は変わっていないといえ雰囲気が違い、ここは何処なんだろうと、道は合っているのかと疑心暗鬼に陥りそうになる。ただ道は合っていたようで、やっと大広間にでた。大きなでは何故かロケット花火が飛び交っていてとても入れそうにない。

「えー、すごい綺麗。大広間で花火とか考えたことなかったわ。」
「花火好きならこれやるよ!」
と名も知らぬ生徒からロケット花火を貰った。彼はまた花火を打ち上げながら走り回っている。私も楽しもうとロケット花火を上に向けた瞬間大広間にすごく大きい声が響いた。何人かの生徒は走り逃げようとしたが、先生っぽい人に捕まっていた。その後ろをこっそりと逃げようとする私も、肩を掴まれ見知らぬ先生の後を生徒たちと着いて行った。
程なくして部屋へと入ると先生の説教が始まり、最初は大人しく聞いていたがどんどん眠くなり足がカクカクとなり倒れそうになる。

「あなたはとても眠そうで私の話が全く耳に入って居ないようですね。Ms.……あなた見たことない子ですね。名前はなんと言うのです?」
「あ、いや私は…」
「俺達も同じスリザリンですが、彼女を見たことないです。」
「もう充分です。お下がりなさい。あなた方の事は寮監の先生にお任せします。お行なさい。」

生徒たちはぞろぞろと部屋から出ていく。その後に続いて出ようとすると肩を掴まれ、「あなたはお待ちなさい」と椅子に座らせられた。「名前はなんと言うのです。」「………」「埒が開きませんね。ここの生徒かも分からないまま貴方をここから出すことはできません。校長を呼ぶからそこでお待ちなさい。どこで制服を手に入れたんですか」と部屋にいたフクロウにさらさらと文字をかき、羊皮紙を咥えさせ窓から放った。

「ディペット校長は面倒くさがりなので来ないと思います。先生」と言うと先生は目を見開き、「今の校長はディペット校長ではありません。」あ、余計なことを言ってしまったと口を噤んだ。けど、それはやっぱりここは私の時代じゃないと確信した。扉が開く音がし「今のホグワーツの校長はダンブルドア校長です。」後ろを振り向くと、昔よりも痩せて髭もかなり伸びきったリドルの嫌いなダンブルドア教授が立っていた。「アルバス、この子は…」と言うと「ミネルバ、少し席を外しておくれ」と言うとミネルバと呼ばれた先生は何かを言いたそうにし、それを飲みこむと部屋を出ていった。

「久しぶりじゃの、名前」

懐の中にある日記かほんの少しだけ熱が篭った気がした。

20.10.13
22.05.24-修正・加筆-

「アルバス、この子は…」

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