レディバグ・レグホーン


portrait

 劇団ロワゾにおける現団長。
 役者としては主にレイヴンを担当しているが、近年では役者であることよりも団長としてロワゾを担っていくことに重きを置いているため、表舞台に立つ回数は減っている。
 レディバグは劇団長という立場だけではなく、現ロワゾの代表メルルであるマドンナ・マジェンダの同期かつパートナー的レイヴンとしても著名な役者であり、ファンからは「レディ&マドンナ」として愛されている。
 最近では回数が減ってしまったものだが、かつてはマドンナの出演する舞台には必ずと言っていいほど彼がレイヴンとして出演しており、現在でもレディバグがレイヴンとして出演する舞台では、相手役のスワンとして登場するのは決まってマドンナ・マジェンダである。
 レディバグは幾度か引退を危惧されつつも、彼はそのたびに記者たちに向かって「マドンナが歌い続ける限りは、僕は彼の歌を届ける翼になるよ」と断言している。
 マドンナの歌の強みをその多種多様な七色の表現力と大気を揺るがす圧倒的な響きにあるとするならば、レディバグの歌の強みはどこまでも届く歌声の伸びと、マドンナの前にも後ろにも自在に羽を広げることができる、その自由で大きな繊細さにあるだろう。彼らの歌声はいついかなるときでも最も美しいかたちで調和し続け、決して乱れず、最上のハーモニーを客席の一番後ろまであやまたず届ける。どちらかが舞台を降りるときまで、きっとそれは永遠に続くのだろう。
 そしてこれも周知の事実ではあるが、レディバグ・レグホーンは、この私レッドアップル・レグホーンの年の離れた兄である。私にとっては極めて穏やかで優しい兄、といった印象なのだが、マドンナからは「おバカさん、あれはブラコンなだけよ」と一蹴された。
 ちなみにレディバグもマドンナと同じく年齢不詳である。弟の私ですら、正しい年齢を未だによく分かっていない。彼は私が生まれたときにはすでに役者であった上、その頃からすでに年齢を非公開にしていたものだから。マドンナに関しても然りである。
 また、よくマドンナの話し方がうつっている。

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