オペラ・オパールグレイ


portrait

 ルニ・トワゾ歌劇学園三年。
 独創性に富んだクラス、エグレットに所属し、季節公演では非常によく主演を張っているレイヴンである。
 オペラは人当たりがよく、穏やかな性格をしているが、時の流れの感覚が多少常人と異なるため、それによって起こるトラブルにより彼を不真面目だと捉えるものも少なくはない。
 しかし皆、彼に見つめられるとその行いを許さざるを得ないため、彼を敵視するものは少ない。
 また、あまり口数が多い印象は持たれないが、彼と仲の良い人間にその印象を訊くと「話が長い」と返されたため、気を許している相手にはよく話すのかもしれない。
 オペラ・オパールグレイは不思議な魅力を有する役者である。およそ、人間としてもそうであろう。生徒としてのオペラは人見知りでシャイ、その上秘密主義であるように私などには映るが、担任のダリアはこちらのそんな見方にくすりとする点があるようだから、どうもその限りではなさそうだった。学園側としても、未知の部分が多い生徒であるが、しかしその演技の才に限っては紛れもなく本物と見て良いだろう。

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