マドンナ・マジェンダ


portrait

 ココリコの担任教師。
 クラス担当の他に、主に歌唱の授業を担当している。
 劇団ロワゾの現スワン。ただし、彼についてはスワンという呼称よりも、ロワゾでの歌姫を表す「メルル」という呼び名の方が有名であろう。現在のロワンの中で代表的なメルルはマドンナであり、彼にもまたその自負がある。
 ルニ・トワゾでクラスを担任しながらも通常通りに劇団ロワゾの公演に出ている。あまりにもその歌声のコンディションが崩れないため録音説などが浮上することもあるが、ただ単にコンディションを崩さないように努めているだけである。
 そして彼は圧倒的に大気を震わす自身の歌声で、浮かび上がる録音説をそのたびに叩き潰している。
 元不良学生であり、彼は自らの生徒のことを各々「最も美しく叱ることができる愛称」で呼ぶ。すこぶる喧嘩が強く、他の学生はおろか、アルコール中毒者の父親にも負けたことはなかったが、そのために様々な人間に目をつけられ、大荒れの中高時代を過ごしていた。しかし、父親が他界した際、遺品としてたった一枚手元に残されたジャズのレコードを聴き、歌の魅力に気が付く。
 ゆえに、彼は常から勝ち続ける努力を怠らなかった。もちろん、今も。
 余談だが、マドンナは担任教師たちの中での最年長である。
 最年長であるが、劇団員となった頃から年齢不詳のため、結局いくつなのかはよく分からない。また、ダリアが新人役者の頃は、同じ劇場ですでに歌姫としての地位を手に入れていたマドンナがよく指導を行なっていた。この話を聞いて、納得する者は多い。

- ナノ -