ダッキー


 劇団ロワゾ及びルニ・トワゾ歌劇学園における「娘役」を意味する。
 語源としてはレイヴン・レグホーンとスワン・スーダンが主演を務める舞台のほとんどにて娘役を担当していた「エクリュ・エッグカラー」が、その優れた演技力と観客へと向けるファンサービスの笑みの愛らしさから「ダッキー」すなわち「かわい子ちゃん」と呼ばれていたことが由来ではないか、とされているが、真偽のほどは不明である。
 ダッキーにもクロウと同じく様々な役割が与えられるが、クロウに比較するとダッキーはその画面の華やかさや騒がしさを担い、そして個を演じる場合には、愛らしさと多少の滑稽さを担う場合が多い。愛らしさというものには、ほんの少しの可笑しみがスパイスとして振り掛けられているものなのだ。エクリュ・エッグカラーはいつかこんなことを言ったらしい。
「僕の名前は世界に残らないだろう。けれど、物語は、その世界は僕がいないと始まらなかっただろうね。だって、世界にはいつだって、要らないところでつま先立ちをするかわい子ちゃんが必要でしょう?」
 と。

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