始まりは、涙


足は、自然とそこへ向かっていた。

ほら、君が愛した場所だ。


いつか、いつの日か君は言ったね。

ここで、また逢えるなら。
次は心から笑いたいね、と。


ごめんね、ごめん。


後悔はしていない。

君と出逢えた、君を信じられた、君を愛せた欠けがえのない日々。


後悔をしている。

君と出逢ってしまった、君を巻き込んだ、君を守れなかった己の迂闊さ。


でも、でもどうしても差し伸べられた手を離すことは出来なかった!


好きだよ、好きだ。

君が愛したこの場所で君と共に逝けるなら本望だ。


小さな骨壺を胸に抱いて、大空は大海へと身を投げ出した。


そらのなみだはいずこへ
(信じてくれたのは、君だけだった)






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