好きと言えない

「マツバさんあの…そのす、すっすすストロベリー味のアイスって美味しいですよね…!」

あぁ今日もまた好きだと言えなかった…。
とっさにストロベリー味のアイスって言ったけど意味わかんないよね…。

好きって二文字だけなのになかなか言えなくて言えないたびに落ち込んでしまう。

今も少しへこんでいるんだけどマツバさんはそんな私を気にせず、抹茶アイスもオススメだよと笑う。

うぅ…でもその笑顔も素敵…見てるだけで幸せになる…。

「今度、一緒にアイス食べに行こうか?」
オススメのお店があるんだと誘われ、私は即頷いてしまった。

「はっはい!一緒にアイス食べに行きたいです!!」

なんだかんだでマツバさんと一緒にアイス食べに行けることになったし良かった…良かったのか…な…。

「いつもは抹茶アイス食べているんだけど今度はストロベリー味のアイス食べてみようかな?」

「ぜっぜひ…!おっ美味しいですよ!ストロベリー味!!好きなんですよ」

「そうなんだね、食べるの楽しみだよ」
ニコリと微笑まれ心臓がキュッとなり倒れそうになる。いや、…こんな所で倒れちゃいけないけど。

それじゃあ、また今度…と手を振りジムへと帰るマツバさんを見送り、次こそちゃんと好きって言えるといいなぁ…と思った。






「なんだい、ゲンガー?」

「ゲン、ゲンガッ!」

「…揶揄いすぎると嫌われる?程々にしているんだけど」

「ゲッ、ゲンゲンッ!」

「両想いなんだから早くマツバから告白すれば良いのに…か。でも、もう少し今の名前ちゃんの反応楽しみたいんだけどなぁ」
ずっと前から名前ちゃんの気持ちも知っているけど知らない振りをしている。
必死になって僕に好きって言おうとしているのが可愛くて仕方がない。

「ゲン…ゲンガ…」

「ごめんごめん、本当に名前ちゃんのことになると厳しいよねゲンガーは」

そう言うとゲンガーは呆れ、もう何も言わなくなってしまった。

…好きな子ほど意地悪したくなっちゃう癖、直さないとね。


R2.7.13

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