君には敵わない

ちょっとした好奇心で蔵ノ介の妹の友香里ちゃんが呼んでるみたいにくーちゃんって呼んでみたくて2人きりの帰り道の時に思い切ってくーちゃんと呼んでみた。
蔵ノ介はどんな反応するんだろうかとドキドキしながら待っているが蔵ノ介の反応はない。

えっまさか私のくーちゃん呼びが嫌すぎて何も返せないのかと不安に思い蔵ノ介の顔を見ると蔵ノ介の顔は見たことないくらい真っ赤になっていた。

「く、蔵ノ介?」

「…あっ、アカン」
やっと言葉を発したと思えばアカンと言って両手で顔を覆いだした。
やっぱりくーちゃん呼びはダメだったか思い、ごめんと謝ると蔵ノ介はちゃうと否定する。

「名前のくーちゃん呼びがこんなにええもんかと思わんかって」
いつもは蔵ノ介って呼んでくれとるから違う呼び方で言われると、なんかこう…興奮してもうたと恥ずかしそうに蔵ノ介は笑った。

「良かった…すごい嫌だったのかと思った」

「いつも蔵ノ介って呼んでくれてるからドキッとしてもたわ」
いつも私が蔵ノ介にドキドキさせられてばかりだからドキッとしたと言われ嬉しくなる。
これからもたまにくーちゃん呼びしてみようかなと思っていると蔵ノ介からたまにでええからまたくーちゃんって呼んでと言われた。

同じこと考えてたんだと思わず笑ってしまうと蔵ノ介が笑うとことちゃうやろ?と少し焦っていた。

「ごめん、同じこと考えてたんだなって思って」

「えっ、名前も同じこと考えとったん?」

「うん、そう。やっぱり蔵ノ介とは気が合うんだね」

「せやな。名前とおると素の自分もだせれるし、ほんまありがとうな名前」

これからもずっと一緒におろなと私を優しく抱きしめながら蔵ノ介は微笑む。
私もずっと一緒にいようね、くーちゃんと言い蔵ノ介を抱きしめ返す。

「…そこでくーちゃん呼びが来ると思わんかったわ」

「くーちゃん呼び、蔵ノ介が気に入ってたから、つい」

「ほんま名前には敵わんわ」

「今日はいつもと逆だね、蔵ノ介」
私がそう言うと蔵ノ介は次覚えときやと照れくさそうに言うものだからあっこれヤバいかもしれないと思いほどほどにお願いねと返した。

「ほどほどにできんかもしれんなぁ」
まぁ次でなくても今でもええんやけどなと小さな呟きは聞かなかったことにしようとすれば蔵ノ介は今と次、どっちがええ?と耳元で聞いてきて腰がゾワッとしてしまった。

「…っ、耳元はずるいよ」

「先にずるいことしたん名前やで」

「…そうだね」
もう蔵ノ介の好きにしていいよと小さな声で言えば蔵ノ介は反則やでと呟き私の身体をギュッと抱きしめてから唇にキスを落とした。
触れるだけじゃ終わらないんだろうなと思い私は蔵ノ介に身を委ねた。



R.5.12.19

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