「ん…?なんだこれ…」

気絶して数分、早くも目を覚ました彼の目に映ったのは拘束され身動きできない自分の体だった。動かした感じ鎖で繋がれ外れそうにはない。さっきまで全裸だったが今はご丁寧にパンツを穿かされ体は拭かれている。なんなら服も着せてくれ…と桑原は思ったが状況が全く掴めてない。さっきまで自分はゴスロリのイカレタ女にスタンガンをあてられまくったはずだが…

「あぁ起きた?桑原くん」
「ッ…お前…何者だよ…」
「…自己紹介してないっけ。私は闇口夜魅。昔は秋月夜魅って名前で桑原くんとは初対面ではないわ。あと最近のテニス部殺人事件の犯人でもある」
「俺をどうする気だよ!」
「殺人犯って言ったでしょ。桑原くんは今から殺す」

さも当たり前のように言われ逆に言葉を返せなくなった。
桑原の正面に座り優雅に足を組む夜魅はなにやら機械のようなものを操作している。スイッチにレバー…足元にはスポンジやベルトが転がっている。


「"グリーンマイル"という映画を見たことはある?」
「え?いや…」
「あっそ、有名作なのに勿体無い。
そこに出る電気椅子の失敗例が最高にクレイジーでね…普通は電気椅子を行う時、通電を良くするため頭のスポンジは濡らされる。でもちょっとした手違いで…濡らされずに電気を流された。結果はそりゃあもう凄惨たるものだった。なかなか死ねないわショートするわ臭いわ黒焦げになるわ…うふふ…」
「…ッ…」
「最高に面白そうよね…」
「狂ってる…」
「 狂わせたのはアンタ達よ 」

夜魅が指で支持しスポンジを投げると控えていた唯識とリョーマが素早く受け取り準備に取り掛かった。濡らさないスポンジを頭に乗せベルトと電圧機をしっかりと固定する。普通は頭巾などで顔を隠す場合が多いが、苦痛に歪む顔が見たいという夜魅の意見で使われないこととなった。

「さぁ…始まるわ…桑原くんは立海テニス部で名誉ある一人目の死者となるのよ」

夜魅は手を上げる

「ま、待てって!何で殺すんだ!どうしてだよ…!」
「はぁ?私の気に障ったからよ」
「気に障ったって…」
「だから殺す」
「俺たちはなにも、!


手を下げられる。
途端高電圧がかけられ桑原の絶叫が響き渡った。
拘束を引き千切らんばかりに暴れ出し喉が潰れんばかりに声を上げ、白い煙と火花が散り、しだいに人肉が焦げる悪臭が立ち込め始める。
あまりの臭いに側に控えていた唯識が呼吸器を渡そうとするが夜魅は邪魔だと言うようにそれを投げ捨てた。瞳は爛々と輝き狂喜の笑みを浮かべている。


「アッッハ!いい声で啼いてるなぁぁぁ!
最高の気分!死ね死ね死に晒せ!真っ黒コゲの消し炭になれよぉぉォ!でも元から黒いんだっけ!?キャハハハハハハハハハハハハ!!

これでよぉぉやく復讐が始まった!!アンタの断末魔を最初にテニス部全員を恐怖と痛みの泥沼に突き落としてやる!!全員だ!私の選りすぐりの最高な方法で殺しまくってやるかなあああ!!」


≪人類最美≫闇口夜魅の高らかな笑いと共に
復讐劇は幕を上げる

まずは一人 ……

【立海大附属高校】
死者:ジャッカル・桑原
原因:感電死


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