「神尾、深司!ちゃんとついて来てるか!?」
「は、はい!」

橘桔平、神尾アキラ、伊武深司の3人は現在走って部室から離れていた。何が起きているのかはわからない。いつものように普通に3人で部室に行くと目の前で桜井雅也が死んだのだ。否、殺された。部室のドアを通り中にいた桜井雅也に挨拶をすると、3人の頭の上を超えて飛んできた鎌に喉を貫かれ絶命した。何が起きたのか分からなかった。ただ、2つ目の鎌が飛びテーブルに深く刺さったとき自分達は狙われていると気付いた。知らない何かに。

「…少しここで休もう」
「橘さん!深司がいません!」
「何!?くそ…ッ」

草むらに身を潜めて周りを見ても誰一人としていない。深司は追いつけなくなったのか、何かに捕まったのか…。一番後ろを走っていた深司に何が起きたのか。縦になって走ったことに今更橘桔平は悔やむ。

「橘さん…これからどうします?」
「皆を探そう。無事を確認しなくてはいけない」

でも、と神尾アキラは呟く。桜井雅也を殺したのは誰かわからないしもしかしたら部員かもしれない。仲間を疑いたくないという気持ちもあるのだが…
部長の橘桔平は誰も疑わず当たり前に仲間を探そうとしてる。彼が桜井雅也を殺せた訳がないのに、疑心暗鬼に捕らわれた神尾アキラは部長すら疑う。きっと自分が思いつかないような方法で桜井雅也を殺したのではないかと。深司も同じじゃないのかと。

「深司、鉄、京介、辰徳を探すぞ」
「うわあああああ!?」
「…ッ鉄の声か!」
「向こうからです!」

校舎を挟んで反対側。駆けつけると…そこには鉄が呆然と立ちすくんでいた。

足元で倒れているのは、京介?

何で、鉄はラケットを握ってる?何で、京介は頭から血を流している?陥没してるのは…気のせい?

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