「うふふ、何にしましょう…清純くんはイタリア料理?仁くんは何が好きですかね」

頭に浮かぶいくつものメニューに悩み、≪人類最美≫闇口夜魅は足をゆらゆらと動かす。≪人類最高≫は彼女を横目に赤ワインに口を付けた。グラスの中で揺れる液体は、アカク紅く朱く赤い。まるで≪人類最美≫の笑顔とともに死んでいった者の血の様に……緋い。

「前回はじめくんが死んじゃいましたけど仁くんはいい代わりになりそう!あぁ…早く会いたいなぁ」
「気に入ったか」
「はい!すごーく可愛くてオモチャにしたい!」

あんなに強くて強面で不器用に優しくて一匹狼のような人は初めて見た。すごーくオモチャにしがいがある、いい人材だわ。扱いが難しそうだけど言うこと聞かなければコワせばいいし。あ、でも仁くんすぐに壊れなさそう!そういう意味でも楽しめるかも。

「清純くんのご褒美は…何でもいいかぁ。どうせ死ぬし」
「彼は死ぬのか」
「はい!仁くんの通過儀礼のために!」

と、言っても通過儀礼はいつもあるものではなくたった今≪人類最美≫が思いついたもの。まだ裏世界に疑問を感じている天吹仁のために、拭森清純を殺す。慣れさせるために、殺す。精神を歪ませるために、友を殺させる。

「清純くんもそれなりに気に入ってたけどもういいや。粘着系って気持ち悪いし」

そして毎度お馴染み≪人類最美≫に気に入られなければ殺される。例え今まで一番気に入ってても10分後心変わりをして死ねと言われるかもしれない。いや、気に入りながら愛を込めて殺される可能性も十分にある。

「仁くんはメリケンサックか…格好良いわ」

通過儀礼として天吹仁と拭森清純は戦うが、万が一 億が一 拭森清純が生き残ることはない。戦いはするが≪人類最美≫は天吹仁を絶対的にバックアップし拭森清純は蹴落とす。これほど分が悪く意味のない戦いはないだろう。結果はもう≪人類最美≫に決められてるのだから。


「フッ…来たようだな」

「お久しぶりです夜魅様!今日も変わらず美しい」
「……………」
「うふふ、いらっしゃい仁くんに清純くん」


【山吹高校】
生者:天吹仁、拭森清純(死亡予定)、壇太一(生死不明)
死者:南健太郎、東方雅美、室町十次、喜多一馬、新渡戸稲吉

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