「先輩ら…見といてくれへん?」

ポン
金ちゃんのはねまくった髪に手を起きながら消えるように呟いた。心配そうに見上げる金ちゃん。ああ、頼むからそんか顔せんでほしいわ。

「財前はどうするん?」

顔色悪いで?と聞かれて心苦しい。まるで毒されたように気持ち悪い。
触れる瞬間に毒を中和してしまったのは何故なんや。すでに仲間を殺しているのに、今更躊躇していることに奇野光は自嘲気味に笑う。
夜魅さんのための殺し?
嗚呼、ホント馬鹿らしいッスわ


「外の空気吸ってくる。…あと救急車」
「分かったで!財前もはよう戻ってきてな?」

「………おん」

そんな縋るような目するな。
俺は早足で外に出て意味のない救急車を呼ぶ。呼び終わったら携帯を踏み潰して壊す。バキリ。


「さいなら金ちゃん、皆。

…テニス、めっちゃ面白かったすわ」


俺がココに戻ることは一生ない。

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