「ミーティング始めるでー」
会議室いるのはいつものメンバー。部長の白石蔵之介、ヘタレな忍足謙也、寡黙な石田銀、オカマな金色小春、小春さん一筋な一氏ユウジ、放浪人な千歳千里、野生児な遠山金太郎。そして裏世界のーー財前光。
「次の試合ではな〜」
「ダブルスはもちろん俺らだよな小春ぅ!」
「そうやねユウくん!」
みんなが騒がしく話しているのをぼんやりと聞く。金ちゃんが飽きだして試合したいたこ焼き食べたいと言い始めて千歳さんと白石さんが宥める。いつも通りのミーティング、変わらないと思い続けていた日常。それが今から崩れる。
俺がばらまく“毒”によって
俺はもう財前やない。
既知のものから 未知のものまでありとあらゆる毒を身体に仕込んで使う「病毒遣い」奇野光や。
「シングル2はやっぱ…」
「なぁ白石―何やものごっつ気持ち悪いんやけど…」
「ホンマや。金ちゃん顔色悪いで?」
う゛―と頭をかきむしっている。
…金ちゃんはホンマ野生児や。感知できないはずの毒が分かったんか?俺は奇野の中でも“気づかれない毒”に長けとるのに…
まだ毒は回りきってないはずやのに確かに顔色が悪く毒というより雰囲気に毒されたよう。
「な―外の空気吸ってきてもええか?」
「行っとき金太郎さん!」
いつも元気な金ちゃんがトボトボ出ていく。ある意味ラッキーや。皆はまだ気付いとらん。
あと10分…毒が全身に回り、眠るように死んでいくや。
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