≪人類最美≫は再び動き出す
彼女は余興を終わらせない



「――おや、≪人類最美≫からですね」

まだ青春学園の悲劇が夜魅に隠ぺいされどこにも知れ渡ってない頃…沖縄県比嘉高校テニス部部長、木手永四郎にメールが来た

内容は青学に送られたのと同じ【部員を皆殺しにせよ】とのこと。


「≪人類最美≫は裏世界での絶対、ですからね」

獣のように目を鋭くさせ怪しい笑みを浮かばせ、部室を後にした。
真っ先に向かった場所は部室を出れば広がる白い砂浜に青い海。ここは観光客も来るがなにより比嘉テニス部が体力作りをする場所でもある。さくり、と砂浜に踏み込むと田仁志くんと不知火がいました。

「き、木手ばー」
「いっちゃし(どうした)?」

不知火は得意の潜水、田仁志くんは私に隠れてお菓子を食べていたらしい。まったく…いつもなら注意するところですが今回だけは許してあげましょう。

それが最期の食事なんですから

「木手?」

2人に近付いた木手の手には黒々しいトンファー。
それを一振り。ゴキィと嫌な音がして不知火の首の骨が不可解な方向に折れ曲がった。

「なにするんばぁ!?」
「殺し、ですよ田仁志くん」

縮地法により一瞬で間をつめる
しかしそれを予想できた田仁志は反射的にトンファーを避け急所を回避できた。しかし重い攻撃はじくじく痛む。

「ぐぅ…ッ」
「避けましたか。では攻め方を変えましょう」
「木手!何のつもりばぁ!」

トンファーを振ると側面が割れ鋭い刃が出てきた。
折れぬなら斬れ
田仁志がトンファーの変化に目を見開いた時には鮮血が散っていた。白い白い砂浜に鮮やかな花が咲き、倒れた体から溢れ出る血液も海を朱くしていく。
その面白い光景を眺めていると気配がし、さくりと砂が音を立てる。

「わざわざ来てくれましたか知念くん」
「…人殺しかちまる(捕まる)からだめさー」
「捕まりませんよ。彼女がいるので…ね!」

ヒュン、と音が鳴る黒を知念はかわす
比嘉テニス部は皆古武術に心得があるが、体術のみならず武器を使用した武術も一通り体得した。琉球古武術より始まったトンファーも例外ではない。
巧みに木手の攻撃を避けそのまま背を向けにへ逃げ出した。

「おやおや」

比嘉一背の高い知念はリーチを使い誰よりも縮地法をいかせ、素早くに逃げれる。他の者に知らせに行ったのか…しかし木手は追いかけない。
ただ何とも思わぬ表情で背を見送る。


「誰1人として逃げしませんよ。匂宮永四郎…私は殺し屋依頼人は秩序。十四の十字を身に纏いこれより使命を実行します」



匂宮永四郎はゆっくり歩きだした。

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