||| 線引き

 
人間界とグルメ界、どちらを好むかと問われればグルメ界だろう。
人口爆発によって何処へ行っても人がいる人間界と違いグルメ界は静かで、IGOも追ってこない。だが、勘違いしてはいけない。「君」はIGO上層部を憎むが「人間」が嫌いな訳ではない。むしろ識ろうとしている。理解しようと努めている。

その対象の一人が次郎だ。
次郎とは長い付き合いで過去に多くを教わったことを感謝している。そして彼は「君」が成し得ない偉業を成し遂げた。尊敬に値する人だ。いつか「君」も同じ奇跡を起こせるだろうか?

「君」はトリコに知識を授ける。かつて次郎がしたように。
IGO内では誤解している者もいるが決して「君」は馬鹿ではない。むしろ知識は豊富で研究者気質だ。だが自らの問いに答えを出すため、自らの道を決めるため、もっと世界と人間を識らなければならない。
惰性で生きるなど赦されないのだから。


「君」は最後に深呼吸をする。エアツリーの下なのだがグルメ界に適応する頑強な身体には問題ないらしい。
次はいつか分からない「息」抜きのため存分に深呼吸するといい。

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