▼ 2018 01.19「朝陽を望めば」

 
村のため贄になるのを待っていた少女と偶然助け出してしまった道徳真君の距離感が分からなくて1000年くらいぎくしゃくするお話。


瑞雲

小さな辺境の村 閉鎖的なある集落にとある言い伝えがあるという。
「腹の中で二つに分かれた命は天より遣わされた神子」だと。双つ子とは神子自らが穢れを切り落として生まれてきた命。神子と穢れ。神子はやがて天の花嫁となり瑞兆をもたらすとされなによりも大切に育てられる。穢れは村の厄災を引き受け、八つの生まれ日に神子の浄化の炎によって清められるという。

乳を必要としなくなってから穢れは狭い祠の中で生きていた。最低限の食事と経典を与えられ母の温もりも空の青さも知らずに生き続け、まもなく生まれから八年が経とうとしていた。浄化の儀式のため少なかった食事も禁じられ穢れは徐々に衰弱していく。しかし、祠は一人の青年によって開かれる。
穢れが目覚めるとそこは薄暗く寒い祠の中ではなく、仙人界だった。


――という感じで始まるはちゃめちゃ長いお話。(力尽きた)


夢主は仙人骨があったため道徳真君によって仙人界に連れてこられた。
けれど、意識が朦朧としている時に運ばれて、状況説明もないまま介抱されて儀式が執り行えなかったことを知るとパニックを起こす。自身が穢れである事、神子と村を裏切った事、役目を果たせなかった事。「生」への嫌悪感と疑問を感じながら、周囲に説得されて道徳真君の弟子ならびに道士になる。そして今まで穢れとして名前を与えられなかったが、幸福を見つけ幸せになるように「瑞雲」と名付けられる。

けれど、仙人界でもうまくいかない。なにより師匠との相性が悪い。
「虚弱と体育会系」「口下手と気付かない」…師弟として様々なことを教わるが、悩みは解決できないままもやもやとため込み、とうとう一年が経った日に道徳の洞府 紫陽洞を抜け出してしまう。師匠に感謝しつつも憎んでしまうことを告げ、永遠に生きる命の使い方を見極めるため仙人界の奥深くに隠れてしまう。

その後は仙人界の奥に潜み数百年くらい…封神計画を機に元始天尊に呼び戻され太公望の手助けとして人間界に下されていろいろ。優しい人達に囲まれ少しずつ心を開いていくけれど、肝心の道徳真君と仲直りすることなく仙界大戦で封神されてしまう。ずっと自分が死ぬべきだと思っていたのに、自分が生き残り、道徳が死んだことにショックを受ける。道徳の死を受け入れられないまま封神計画は終結する。

戦いが終わり仙道と妖怪たちが蓬莱島で新しい生活を始める中、ようやく瑞雲は道徳に歩みよる決心を、これまでとこれからのことを言葉にして話すことを決めた。恐れることなく人と向き合おうと決めた。


――ここまででも長いのに蓬莱島でもやりたい事が多すぎて以下略。

霊穴に籠っていたせいで体内に気が蓄えられ、燃燈道人に鍛えられ術と気を伝授されたり、
道徳師匠と少しでも近づくために神界の管理を手伝ったり、
張奎と蘭英の結婚と出産に立ち合ったり、
道徳と人間界を周る修行をして数百年後の故郷の風景を確かめたり、
老子が傾世元禳を持つのを疲れて後継者として引き継がれたり、
ゆくゆくは燃燈道人に代わり神界統括の任に就いたり。

最初は理解できない人だったけれど、師弟関係を築き分かり合ううちに徐々に男女として意識始める二人のお話。
 

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