元限定小説
ギィ



主人公設定:エリウッドの妹
その他設定:−−−−−



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「居た居た、ミコト様ってあんただろ?」
「え? うん、そうだけど。確かサカ出身のギィだったよね、あなた」
「あぁ。作戦変更とかで、あんたを守るようエリウッド様に言われたから」
「兄上が……。うん、じゃあヨロシクねギィ!」


にっこり微笑んで片手を差し出すミコトに、何とも不思議な気分を味わう事になるギィ。
リンディスは自分と同じサカ出身だと聞くし、エリウッドといいヘクトルといい、
このミコトといい……以前想像していた貴族とはまるで違う。
照れくさくなって差し出された手を無視してしまったが、
ミコトは気を悪くする事も無く、にこにこと笑っていた。

理魔法を使うミコトが後方から援護し、ギィが素早さを活かして怯んだ敵へ飛び込み始末する。
密かにギィは、か弱いお姫様だと思っていたミコトに驚いていたし、
ミコトはミコトで自分と変わらぬ子供であるギィの、兄や周りの騎士に劣らぬ剣技に驚いていた。


「すっごい……強いんだねギィ、びっくりした」
「そう言うミコト様だってなかなか強ぇじゃん。オレもビビった」
「かっこいいー。私、剣が強い人って好きだなぁ……兄上みたいだもん」


兄上みたい、と言う辺り他意は無いのだろうが、
見目麗しいお姫様にそんな事を言われて、悪い気のする男は少ないだろう。
現にギィも照れて、それを誤魔化そうと、まだ戦いは終わってないんだからな……と言い先へ進む。
ミコトはそれが分かっているのか、ギィの背中に付いて行きながらクスクス笑っていた。



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