元限定小説
ネス



主人公設定:強気少女
その他設定:−−−−−



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スマブラメンバー達が過ごすピーチ城、みんな乱闘や外出で居なくなり、静まり返った辺りに慌ただしい声が響いた。


「うわぁぁ! どうしよう寝坊したもうみんな出掛けちゃったよね!?」


赤いキャップを手に転げ落ちそうな勢いで階段を駆け下りて来る、超能力少年のネスだった。
どうやら乱闘をやるつもりだったらしいが、もう皆とっくに相手を決めて出発していたので遅い。
各ステージへの転送装置がある部屋へ行っても全て乱闘中。
がっくりと落ち込んで転送装置のある部屋から出ると、ミコトが困ったような笑顔で立っていた


「あ、ミコト……」
「残念だったねネス、朝ご飯まだでしょ、私もだから一緒に食べよう?」
「……そうしようかな」


朝食と言うが、もう11時過ぎだからブランチか。
召使いのキノピオ達は皆大人しいので、世話をする相手が居なければ基本的に静かな者達のようだ。
ダイニングへ行くと食事の世話の為に出て来た彼らに、居たんだ、と思ってしまうネス。
やはりメンバーの仲間達と一緒がいいと、貰った食事を食べながらつまらない思いをしていた。


「もうネス、そんなにムスっとしないの。お昼には皆戻るだろうし、
 午後から一緒に乱闘すればいいじゃないの。それに、こんな静かな朝も貴重な体験だと思わない?」


確かに、賑やかなメンバー達と一緒だと、静かな朝はなかなか訪れない。
耳を済ませば、風のそよぐ音や鳥の鳴き声、城の周りを流れるお堀の川の水流の音が聞こえる。
窓の外を眺めれば、明るい日差しに草花が映えていた。


「……ほんと、たまには、こんなのもいいかも」
「でしょ? 賑やかなのも楽しいけど、ゆっくりするのも悪くないよ」
「うん。ミコトは何でも楽しむんだね、僕も見習わないと」
「な、何でもって訳じゃないけどね」


何にせよ、気分次第で現状はどうにでも変わる。
今度からたまに寝坊してみようかなと、コッソリ考えるネスだった。



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