元限定小説
カービィ



主人公設定:強気少女
その他設定:−−−−−



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「ミコト、ぼくお腹すいちゃったぁ!」
「またぁ? 分かった、確かお菓子があったから少し待ってなさいね」
「はぁーい」


最近、カービィはよく食べ物をミコトにねだって付いて回る。
以前までは誰彼かまわずだったのだが、一番食べ物をくれるのがミコトだと気付いたらしい。
メタナイト卿からは、余り甘やかさないで欲しいと言われるが……。
可愛くおねだりされたらついつい願いを聞いてしまう。


「あのおねだり攻撃に耐えられる人なんて、なかなか居ないと思う……」
「あ、チョコレートだ!」
「ってカービィ!」


いつの間にか居たカービィがミコトの背中から覗き込んで来た。
彼女の手の中にあるチョコレートを、今か今かと待ち構えて期待している。
ミコトはカービィを押しとどめると、ソファーに座らせ目の前にチョコレートを置いた。
いわゆる「待て」状態なのだが、偉いもので、以前はすぐ食い付いていたのが今では待てている。


「よしよし、ちゃんと我慢できるようになったんだね、偉いよ」
「うん……ねぇ、もう食べてもいーい?」
「いいよ、どうぞ」


OKを出すと、個包装されたひと口チョコを1つずつ口に入れていく。
何でもかんでも吸い込まなくなったのも、ミコトの教育の賜物だ。


「チョコおいしー! ありがとう、ミコトやさしいから大好きー!」
「はいはい、落ち着いて食べなさいね」


何だか幼い弟が出来たような気分で、ミコトは暖かくなるのだった。



- ナノ -