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11章外伝 歩む前に



やがて宿泊予定の宿で落ち合う4人。
砂漠が近い街には夕暮れが訪れていて、広大な空が茜色に染まっている。
部屋の窓から砂漠を見ながら、砂の地平線へ思いを馳せるルミザ。
ここからでは一面、黄金の平原しか見えないが、どこかに魔道士の里がきっとある筈だ。
エルフィンや王妃マールムの話によると、連絡を取らずとも向こうには訪問者が分かるらしい。
砂漠を進めば必ず里に辿り着けるという事だ。


「すっげぇよな、さすが、魔道士が集まるだけある」
「偉い大賢者様もいらっしゃるみたいだし、全てお見通しなのかもしれないね」
「ルミザ王女、その里で上手く光魔法を授けて貰えるといいな」


励まし、支え、付いて来てくれる大切な仲間。
彼らに応える為にも、魔法の習得は必須だ。
邪神を倒し、祖国ラエティアに真の平和を齎すには強くならねばならない。


「私も、もっとしっかりしなくては……。光魔法を授けて頂くわ、必ず」


決意を胸に、明日はいよいよ砂漠へ足を踏み入れる。
黄金の平原の先に、次なる扉は開くのだろうか……。





−続く−



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