食べ物の恨み! 「せやから理由を聞いとるんや俺は!」 「だーかーらー、食べたかったからやって言うとるやんか!」 「食べたかったらわざわざ名前を書いたもん食べてええんか?!」 「そんなん早く食べへんのが悪いんちゃうの?!」 テニス部室の奥で、言い争いをする二人。 かれこれ20分は続いている。 最初は興味本位で見ていた部員たちも、いい加減疲れてきた。 「食べたんやったら、買って弁償せえよ!」 「はぁ?たかだか善哉のために何でそこまでせなあかんのよ! 第一まだ冷蔵庫にぎょうさんあるやんか!」 「たかだか善哉ってなんやねん! 量あっても食べた事実は変わらんやろ!」 終わりの見えない喧嘩に、痺れを切らしたのは部長である白石だった。 「財前!弥生!ええ加減にしいや!」 「いだっ!」 「って!」 白石は遠慮なく二人の頭を叩く。 「せやかて部長! 弥生が俺の善哉勝手に食うたんですよ?!」 「財前…部室に私物は持ち込むな言うとるやろ? 食べられてまうん嫌なんやったら家に持って帰り。」 「そうやで! 部室においとるんが悪いんやろ!」 「弥生も! 勝手に人のもん食べたらあかんていつも言うとるやろ?」 白石に宥められ、その場は収まったものの、まだピリピリした空気の漂う2人。 「「…………ふんっ!」」 子供っぽい2人の喧嘩の終わりに、周りはやれやれと呆れていた。 (…はい、あげる!) (………?何やねんこれ) (昨日食べちゃったお詫びの善哉!) (…おおきに。 なんや弥生にもかわええとこあるんやな。) (なっ………!///) ――――――――――― 日常系ほのぼの劇場。 食べ物の恨みは怖いんだよとか言ってみる← お勘定 |