終わらない!



「ねぇ、白石?」

「どないしたん、弥生」

「……その大量に積んであるワークや参考書は一体なんですか…?」

「そんなん決まっとるやんか。
あれほど警告したにも関わらず、全教科赤点なんて前代未聞なことをやらかした彼女をみっちりしごくために用意したやつやで。」



にっこり、美しすぎる笑顔を浮かべる、白石。

…藤雅弥生、今日は無事に帰れる気がしない!



「………まさか、それ全部、今日1日でやるなんて言いませんよね白石くん…?」

「さすがやなぁ、そのまさかや。」

「やっぱりぃぃぃ!!」



全ての始まりは、つい2週間前の中間試験。

元々、そんなに成績の良くない弥生は、完璧主義の白石から、赤点を取らないために勉強会をしよう、と声をかけられていたのだが………。



「あ、はは…その日はちょっと私のPCちゃんと交流しなくちゃいけなくて…。」

「…つまりは暇なんやろ?」

「いやっ、断じて暇ではないっ!
さらば!」

「あっ、ちょお!弥生!」



勉強が嫌いな弥生は、口実にもならない理由を付けては、白石から逃げ回っていた。

その結果、全教科赤点というなんとも絶望的な点数を取ったのだ。



「………せめて数日に分けてよ!
そんな量1日でやったら、頭パンクして死んじゃう!」

「勉強のしすぎが死因なんて人はおらへん。
無駄口叩いてないで、さっさとやる!」

「うわぁぁぁ!鬼!バ彼氏!」

「そういう風にさせたんは誰やったかなぁ…?」

「………スイマセンスグヤリマス…」

「分かればええ。」



結局弥生が解放されたのは夜中で、もう二度と白石と勉強はしない!と、固く誓うのであった。





(弥生…期末でも赤点取ったんやて…?)

(ぎゃああああ鬼がキタァ!)

(もう許さへん!
今日から毎日俺と勉強や!)

(嫌あああぁぁぁ!助けて謙也ぁぁ!)





―――――――――――

このヒロインなんか頭弱そう………ギャグというか何というか…。

詠月さん、キリリクありがとうございました!






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