花と木のたわいもない話


『───あなたは誰?私は誰? あなたは私で私はあなた.私とあなたは一心同体、でも待つのはもう飽きちゃった…おいでよおいで、こっちへおいで.一緒にあっちへ逝きましょう?一緒にあっちで遊びましょう?もう待てないの早くおいで.…来ないなら、連れてくよ?さあ、早く! ワ タ シ ノ ア イ ス ル イ ト シ イ ヒ ト…』






「…真、この唄なんか変だな」
「そりゃ誘妖歌のつもりで作ったからな」
「なんでそんな唄作ったんだ?」
「そりゃお前…た、退治の時に使えるかと思ってに決まってんだろバァカ」
「? 誘妖歌って使えるのか?」
「考えてみろ、倒すべきアヤカシが屋敷の中にいたとするだろ.だが親玉は奥にいる.ドアを開けたら十中八九雑魚ばっかだ」
「うんうん」
「雑魚相手にちまちま闘ってたら親玉叩くときには体力なんて残っていねえ」
「そうだな…って真、叩くって親玉はモグラなのか?」
「ちげーよバァカ!親玉を退治するんだよ!!」
「ああ!なるほど」
「はぁ…それで体力やらその他諸々を消費しないためにあえて引き寄せるんだ」
「だが引き寄せてもまとめてやる場合結局疲れないか?」
「バァカ、何のために詠唱術があると思ってんだ.致死歌や使役歌で一網打尽にすんだよ」
「なるほど!!すごいな真は!!俺達のこと、ちゃんと考えてくれてるんだな!!」
「!! …あ、当たり前だバァカ!!」



実(ほんとは嫌がらせのくせに…裏目に出ちゃったわねまこちゃんw)
花(笑うんじゃねぇ!!)





──────


「ところで真、詠唱術ってどんなのがあるんだ?」
「あ?言ってなかったか

俺の使う詠唱術は大まかに
使役唄(しえきのうた)・致死唄(ちしのうた)・誘妖唄(ゆうようのうた)・浄化唄(じょうかのうた)
の四つで、使役唄はアヤカシを思いのままに操る唄…ま、強いあやかしはできないこともあるがな。んで致死唄はアヤカシを滅する唄、誘妖唄はアヤカシを引き寄せる唄、浄化唄は汚れた空間やアヤカシに当てられた人を癒す唄だ。」
「へー」
「俺の術ら"言葉"を繋げば繋ぐほどより強く効果が発揮されんだ」
「これを俺たちは音と舞を混ぜて更に強くしているんだな」
「そーゆーこった


んじゃものは試しだ さくっとこの大群操りますか」
「ははっ頼もしいな真は」


たんっ


『『乞い慕え!!』』





アヤカシの大群を前に音を奏舞う少年二人

彼らの活躍は帝光が墜ちる少し前の話───



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