変わらない笑顔

「あ、弥生ちゃんじゃない!」

「久しぶりでござるな、弥生殿。」

「うん、薫さん、剣心さん久しぶり!」


一月ぶりぐらいに訪れた神谷道場には、いつも通り。
師範代の薫さんと、るろうにの剣心さんがいた。

弥彦君と左之助さんはいないみたいだけど…。

訳あって一月前までここに半年ほど居候させて貰ってたときから、何も変わってない。


「弥生ちゃん、良いところに来たわね!
ちょうど今から恵さんが作ってくれたおはぎを食べるところなの!
弥生ちゃんもいらっしゃい!」

「え、でも良いの?
私突然来たのに…迷惑じゃない?」

「弥生殿、そんなことはござらんよ。
ゆっくりしていくと良いでござる。」

「剣心の言うとおりよ!
ほら、上がって上がって!」


もう私と何の関係も無いはずなのに、前と変わらず接してくれる2人。

優しいなぁ…。






そして、おはぎを頂いたあと、薫さんの気遣いで、私は神谷道場に1日泊まることになった。





「…弥生殿、どうしたでござるか?」


お風呂から上がって、一人庭で夜空を眺めていたら、剣心さんが声をかけてきた。


「………ねぇ、剣心さん…夜空に輝く星は、本当に、いつまでも変わらないのかな?」

「…弥生殿?」

「私、今日、神谷道場に来て本当に良かったって思ってる。
薫さんも剣心さんもあたたかく迎えてくれて…一月前と変わらなかった。

…でも、もし時間が経って…このあたたかさに、私が入れなくなったらどうしようって、思うんです。
時間が経って…私がいないのが当たり前になって、忘れられちゃったら、って思うと…。」


不安だった。
ここは私の居場所じゃないから…いつか必ず、忘れられちゃうから。

この気持ちを伝えられないまま別れた…剣心さんに、二度と会えなくなるんじゃないかなって。


「…弥生殿、安心するでござるよ。」


私の不安をぶつけたら、剣心さんは、私を優しく抱きしめてくれて。


「いくら時間が経っても、弥生殿の居場所はここにある…薫殿も、拙者も、それから左之や弥彦…多くの人が、弥生殿が来るのを待ってたでござる。

…誰も、忘れたりせぬござるよ。」

そう、言ってくれて…。




…あぁ、やっぱり。
この人のあたたかさも変わらないなぁ…なんて、らしくないことを思ってしまった。





「薫さん、剣心さん、お世話になりました!」

「弥生ちゃん、絶対また来てね!約束よ?」

「薫さん…。
はい、私、必ず来ますから!」


翌朝、薫さんと剣心さんに見送られて、私は家路についた。


「弥生殿の居場所は、ここに必ずあるでござる。」


その言葉を胸に…。







――――――――――

最近再燃し出したるろ剣!

ちなみに私は瀬田宗次郎が一番好きです(*´∀`*)
TOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -