3センチ




日向と俺が付き合い始めたのは、ちょうど一年前。

日向の誕生日が、もうすぐそこまで迫った日で。
きっかけは本当に、呆れるくらい些細なこと。





「日向って確かもうすぐ誕生日だよね?」

「え?…あー、確かにそうだな。
すっかり忘れてたわ…試合前でそれどころじゃねーし。」

「はっ、誕生日に消臭炭常備!!キタコレ!!」

「伊月黙れ。てか来てねーから!」


いつも通りの、普通のやり取り。

…でも、俺はすでにこんな会話じゃ…ただ友人として側にいるだけじゃ、物足りなくなってて。

もっと、日向が知りたい。
もっと、日向の側にいたい。

そう、思ってる自分がいた。


「………き、……」

「……………。」

「……!………伊月!!」

「!!
え、何、日向?」

「何じゃねーだろ。
俺の誕生日がどうしたんだよ。」

「え、あぁ…俺日向の誕生日に何か欲しいものあげようかなって思ってさ。」

「…毎年おめでとうとダジャレしか言わないくせに、改まってどうしたんだよ。」

「ん?いや、俺日向が好きだからさ。」


…あれ、なんか日向が固まった…。
今、俺日向になんて言ったっけ…確か……!!


「…っ、日向ちょっと来て!」

「…は?………って、ちょっ…伊月?!」


事態を理解した途端、居てもたってもいられなくて。

まだ混乱してる日向を引っ張って、立ち入り禁止の屋上まで駆け上がる。


「っ…はぁ、はぁ……。」

「おい、伊月。
どういうことだよ!!」


クラッチに入りそうな日向…もう、こうなったらなるようになれ。


「……こういうことだよ、日向。」


壁際にいる日向にグッと詰め寄って。
その距離、3センチ。


「俺、日向のこと、こういう意味で好きだから。」


そのまま、日向にキスをした。
ちゅっ、とリップ音を鳴らして唇を離せば、顔を真っ赤にした日向。


「…っ、不意打ちは卑怯だろ…ダアホ…。」


…って、あれ?


「…あれ、嫌じゃないの?
俺の言った意味分かっt…!」


………え、俺…。
日向に…キス、されて…る…?

「…分かってるよ、ダアホ…。
俺も、お前と同じ気持ちなんだからっ…///」

「…日向…ありがとう。」


ヤバい、日向が今まで以上に可愛い…!












――――――…………

――――………

――……

―…


「懐かしいよな。
もう一年も前の話だよ、日向。」

「はずいこと思い出すなよ!///」

「照れてる日向も可愛いなぁ…。」

「もう伊月黙れ!!!!」


…これからも、俺たちの距離は、3センチ。



――――――――――

ばりろさん、リクエストありがとうございました!
ばりろさんのみお持ち帰り可です!


シチュお任せということだったのですが…うわぁぁぁぐだぐだ!
すいません、お気に召さなかったら書き直しますので!!

日向先輩と伊月先輩をいちゃらぶさせたかっただけなんです(;_;)



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